2014年9月20日土曜日

第20回大学病院の緩和ケアを考える会総会・研究会

9月20日(土)第20回大学病院の緩和ケアを考える会総会・研究会が日本医科大学橘桜会館で開催された。緩和ケアチーム紹介の新患さんがあり、病院を出たのが11時を過ぎたが、ランチョンセミナー日本医科大武蔵小杉病院腫瘍内科の勝俣先生「診断時からの緩和ケアをどう実践するのか?」に間に合うことができた。化学療法を主にしておられる先生からの緩和ケア医へのメッセージは、転移や再発が見つかった時点で、患者さんの生活の質に注目し、緩和ケア・緩和医療という治療の選択肢の提案、身の回りのことができなくなった際にはどのように過ごしたいのかという終末期の生活に関しての話し合い、最善を期待し最悪に備えることを一緒に考える、患者さんを孤独にせず最期まで見放さないことの約束。治療医に対して意見をどしどし言って欲しいこと、予後は正規分布ではないので余命宣告は無意味であることなど。優しい先生ほど?最期まで化学療法を継続する現実など・・・
「在宅療養を希望する終末期患者への支援~実践例から学ぼう~」はT医科大のK谷Nrsが座長。価値観の違いを知ることや、患者さんの経過を予測できる医療者が患者さんの意思決定を待つことの大切さなど、患者さんに直接関わる看護師のキル口からの学びは多い。
シンポジウムの「もっと近づこう~大学病院と在宅緩和ケア」では日本医科大学の3か所の分院の看護師(退院調整とがん看護)および連携診療所医師がシンポジストであった。この中で在宅医療をしている医師が、大学病院で外来を週二回担当し病棟にも呼ばれて診療をすることで,入院患者さんの在宅療養への不安を軽減し支援しているという事例の紹介があった。
特別講演では山崎章郎先生から「在宅緩和ケア~小平の取り組み~」の特別講演では、家で死ぬということの良いことは、患者さんはいつでも主人公で自由、過剰診療を回避できる、家と言う空間が痛みの閾値を上げ苦痛が軽減、家族の力が変化を述べ、実際に山崎先生が実践しておられる患者・家族との会話の紹介もされたので大変勉強になった。それにしてもケアタウン小平は凄いことを実践している。


最後に、サープライズでこの会の牽引車として頑張ってこられた高宮先生に感謝の花束が贈られた。高宮先生は来年の日本緩和医療学会の会長を務める。

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